ハイブリッド開催のすゝめ
はじめに
研究会などのハイブリッド開催には、大きく分けて2つの方法があります。
- 現地開催の様子をオンラインへ流すだけの配信
- 現地参加者とオンライン参加者が、双方向に話せる配信
1 は簡単で、Zoom 等に接続して PC マイクから音声を入力し、スライド等を画面共有するだけです。 ここで目指すのは 2 です。オンライン参加者の音声も会場スピーカーから流し、現地とオンラインで双方向にやり取りできるようにします。
このページでは、双方向コミュニケーションが可能なハイブリッド配信を行うためのセットアップを紹介します。このセットアップは、私が以下の研究会で実際に使ったものです。
全体配線
ミキサーは発表者 PC、マイク、会場スピーカー、プロジェクターをまとめるハブです。 配信用 PC はミキサーから映像・音声を受け取り、カメラ映像も取り込んで Zoom に送ります。 Zoom 側の映像・音声は配信用 PC からミキサーへ戻し、プロジェクター・会場スピーカーからそれぞれ流します。
機材一覧
今回の考え方に沿って組む場合の機材一覧です。機種名は一例なので、同じ役割を満たせれば別機材でも問題ありません。 金額欄の [レ] はレンタル料の目安です。
| 分類 | 機材 | 機種名 | 金額の目安 |
|---|---|---|---|
| ハブ | 配信用 PC | HP ZBook 14u G5(CPU i7・メモリ 32GB) | [レ] ¥6,000/日 |
| ハブ | 映像/音声ミキサー | Roland VR-4HD | [レ] ¥9,000/日 |
| 映像 | 発表者 PC | — | — |
| 映像 | HDMI 分配器 *1 | VSP-HD14BK(1 IN / 4 OUT) | [レ] ¥1,000/日 |
| 映像 | プロジェクター | EPSON EB-W06 | [レ] ¥5,000/日 |
| 映像 | スクリーン | Lilyeel Projector Screen 150inch | [レ] ¥3,000/日 |
| 映像 | メインカメラ | JVC KY-PZ510NB | [レ] ¥6,000/日 |
| 音声 | 無線マイク | audio-technica ATW-1322 | [レ] ¥5,000/日 |
| 音声 | スピーカー | BOSE S1 Pro | [レ] ¥5,000/日 |
| 音声 | スピーカースタンド | CLASSIC PRO SPS MINI | [レ] ¥600/日 |
*1 HDMI 分配器は、複数のプロジェクターに同じ映像を出す場合に使います。1つのプロジェクターしか使わない場合は不要です。
ケーブル一覧
短いケーブルは付属品や手持ちで足りることも多いですが、会場では長い HDMI ケーブル、XLR ケーブル(マイクケーブル)、LAN ケーブルが必要になりやすいです。[レ] はレンタル料の目安です。
| ケーブルタイプ | 長さ | 金額の目安 |
|---|---|---|
| HDMI ケーブル | 2m | [レ] ¥300/日 |
| 10m | [レ] ¥1,000/日 | |
| 30m | [レ] ¥2,500/日 | |
| XLR ケーブル | 1.5m | [レ] ¥300/日 |
| 10m | [レ] ¥600/日 | |
| 30m | [レ] ¥1,000/日 | |
| LAN ケーブル | 3m | [レ] ¥100/日 |
| 50m | [レ] ¥1,000/日 | |
| 100m | [レ] ¥3,000/日 |
その他
機材レンタル会社 PANDA STUDIO
機材レンタルは PANDA STUDIO が便利です。配信機材やケーブルを1点ずつ借りられます。 利用開始日の前日に届き、利用終了日の翌日に集荷してもらえるので、数日間の研究会では扱いやすいです。
会場回線が弱い場合:Starlink
Starlink は、地上の光回線や携帯回線ではなく、専用アンテナで衛星と通信するインターネット回線です。 低軌道の衛星を使うため、従来の衛星回線より遅延が小さく、Zoom などのビデオ通話にも使いやすいのが特徴です。 会場回線が弱い場合や、施設 Wi-Fi を配信用に使いにくい場合の上流回線として使えます。
アンテナ+専用ルーターのセットでレンタルします。 アンテナを屋外の空が開けた場所に置き、アンテナが衛星をつかむと、ルーターから通常のインターネット回線として使えるようになります。 前述の PANDA STUDIO のほか、STAR NET RENTAL などで短期レンタルできます。基本的にレンタル会社が受信契約しているので、個人で契約する必要はありません。
参加者やスタッフが使える無線 LAN を用意する場合は、別途 Wi-Fi アクセスポイントを置きます。 AP はルーターモードではなく AP モードにして、会場で使っている上流回線にぶら下げる形にします。
事例
第66回生物物理若手の会夏の学校
参加者は現地100名・オンライン30名程度です。現地発表とオンライン発表の両方があります。会場回線が弱かったので、Starlink を上流回線として使います。また、Web カメラを追加して、会場全体の様子を映します。